二極化する救急医療の看護師

看護師として救急医療に携わる人は二極化が進んでいる。もともと救急では仕事が忙しくなる傾向が強く、勤務の厳しさが気にかかっている看護師にとってはあまり魅力的な診療科ではないと言われていた。その現状こそ変わらず、夜勤や土日出勤が多くて勤務時間も長くなりやすい待遇は続いている場合も多い。それでもなお救急で働きたいと考えるからには理由があるだろう。その理由が二極化してきている。一つの方向性は急患の看護に興味を抱き、自分の能力を発揮するための現場として選んでいるものである。急患の患者を助けるのは容易ではないからこそ、やりがいがある仕事として前向きに取り組んでいるのが特徴といえるだろう。

もう一つの方向性はスキルアップだ。他の診療科で最終的には働きたいという気持ちを持っているものの、若くて体力があるうちに広い経験を積んでおきたいと考えて救急で働く看護師もいる。一つの診療科で働いていると身につけられるスキルにも限りがあるが、救急医療の場合には診療科を跨いで様々な知識と経験を育むことができる。大変さこそあるものの、将来の仕事につながるキャリアを作ることができる点で優れているのが救急であり、その点に着目して働く看護師も多くなっている。現状としてこのような二極化が進んでいるが、どちらの考え方を持っていても積極的に看護に取り組んでいるため、現場の高い要求にも応えられるようになっているだ。